「建築はどこにあるの?」特別ダンス公演 in 赤縞 見てきました

ヨコハマ・アートナビ編集部の そらまめ です。
先日、私の記憶に残るパフォーマンス「ベスト10」に入るほどの、すばらしい公演を見てきたので、ちょこっとご報告。。。

7月31日(土)19時
「建築はどこにあるの?」特別ダンス公演 in 赤縞
会場:東京国立近代美術館 企画展ギャラリー .
演出・振付:じゅんじゅん 音楽:山中透
出演:エノモトユキ、キムミヤ、小山まさし、清水良憲、西舘典子、久井麻世、じゅんじゅん


これは、建築家 内藤廣さんの「赤縞」というインスタレーションの中で、ダンサーたちが踊るというパフォーマンス。「赤縞」は、真っ暗な長方形の部屋の床面に、200本の細く赤い光の平行線が引かれた作品です。天井から、赤いレーザー光線を当てて描かれているので、天井と床の間は一見、何もありません。でも、ひとたびその線上に踏み入れば、体に光の線が当たり、赤い光の縞模様を身にまとうことになります。直線の世界に急に曲線が現れると、ドキっとするんですね。人間が立体になって現れ、目の前にはっきりと「空間」が生まれました。

内藤廣《赤縞》2010年© Naito Architect& Associates 写真撮影:阿野太一


その空間で7人のダンサーが踊るとどうなるか。


無機質で幾何学的な暗い空間は一転、ダンサーのしなやかな身体に当たった赤い縞模様が、彼らの動作をなまめかしくデフォルメし、生命の息遣いや躍動感にあふれた空間に様変わり。残像には、そこに吹く風や空気の流れさえ感じました。線だけだった空間が、人間が動くことで有機的な空間になる。異なるジャンルがコラボレーションすると、新たな気づきを生むんですね。


内藤廣《赤縞》2010年 ダンス:じゅんじゅんSCIENCE © Naito Architect& Associates 写真撮影:阿野太一


アフタートークでは、内藤さんが興味深い一言を。
オフィスビルなどの合理的で幾何学的な建築の中では、身体(人)はものすごくがんばらないと、空間に殺されてしまう」

うぅ、全国のオフィスワークのみなさん、そういうことのようですよ。。。人気がまばらなになった残業時間、オフィスの無機質な空気を重たく思い起こした そらまめ でした。
ちなみに、内藤さん、横浜ではみなとみらい線馬車道駅を設計した方です!