イメージフォーラム・フェスティバル2010 横浜美術館 行ってきました

編集部の そらまめ です。
7月17日(土)にイメージフォーラム・フェスティバルを観てきました。世界から集まった最新・最先端の映像作品が見られるこのイベント、毎年、東京、京都、福岡、名古屋、横浜、5都市を巡回しています。横浜会場は、横浜美術館の片隅にあるレクチャーホール。

私のお目当ては、「ジャパン・アニメーション・パノラマ」プログラム。昨年「ヨコハマ・アートナビ」でご紹介したアニメーション作家、和田淳さんの新作『わからないブタ』(2010年、10分)も上映されました。

「わからないブタ」和田淳,ビデオ,10分,2010年


「間(ま)」にこだわる和田さんならではの、滑稽なやりとりがたくさんあり、会場のあちこちからクスクス笑い声が聞こえてきました。

作品は、なんだかよくわからないんだけどもわかったような気になる作品です。夫婦は、決して分かり合えないものなのかもしれないけれど、どの夫婦にもその夫婦ならではの絶妙なやりとりというものがあって、その"絶妙さ”というのはもしかしたら“分かり合えている”内に入るのかも知れないなー、とそんなことを思わせる作品でした。
直接、和田さんにその感想を伝えたら、ご本人から以下のお返事をいただきました。

「おっしゃる通り、夫婦や家族間の分かり合えない感じ、ズレが今回のテーマになっているのですが、分かり合えないけれども、分かり合えないことで分かり合えていると言うか、愛のあるズレみたいなものを描きたかったんですね。」(和田淳さんより)

なるほどー。和田さんワールド炸裂です。次回作も楽しみにしています!!


もうひとつ、「横浜特別プログラム」も見てきました。横浜美術館アーカイブ映像作品の中から厳選したアニメーション作品14本が上映されました。横浜美術館には150本もの映像作品がアーカイブされているんですよ。
印象に残ったのは、コ・ホードマン作『砂の城』(1977年、13分)。砂漠のような砂地に風が吹き、砂でできたかわいらしい生き物たちが現れて、みんなで無邪気に砂の城を作り出す。けれども最後にはまた風が吹き、城も生き物も砂となり、何事もなかったように静かな砂地に戻る、という作品、たったひと時のにぎわいが、生まれては消える自然の営みとも重なり、ちょっぴり切ない思いが残る作品でした。


和田淳さん作品上映情報】
●夏のかなやま音像会
 日時:8月1日(日) 20時
 料金:1500円+1ドリンク
 会場:ブラジルコーヒー(名古屋市中区金山4-6-22コスモビル1F)
http://onzoukai0801.web.fc2.com/

●第13回広島国際アニメーションフェスティバル
日時:8月7日(土)〜11日(水)
会場:アステールプラザ広島市中区加古町4-17)
http://hiroanim.org/

和田淳さんホームページ】
 http://codocodo.com/