近江でアート探し

地元に住んでいる友人から風景写真をもらいました。
夕焼けに染まるのは比叡山。プレーリーの故郷は滋賀県にあります。

時々神様が降りてきそうな夕焼けに出くわすことがありますが、山に雪がかぶった日の夕焼けなんかも鳥肌もの。今から冬景色も楽しみです♪


さてちょっと前のことになりますが、地元へ帰省したときに近江八幡市東近江市で開催されていたBIWAKOビエンナーレへ行ってきました。
展示会場は大正時代に建てられた古民家などがメイン。一歩足を進めるだけで畳が軋むような築100年以上の家の中で、数々のアート作品に出会えます。

 
近江八幡という町は、京街道を源とする歴史と伝統のある建物が建ち並び、かつて湖上交通の要衝であったという八幡堀も、桜や花菖蒲が立ち並び、季節ごとの表情を楽しむことができます。プレーリーが行った日は雨が降っていたのですが、石垣に打ち当ってはじける雨粒も、水面や木々に跳ね返る音も、とっても情緒あふれる演出効果があり、日本のわびさびを感じながら会場を回ることが出来ました。


作品はというと、こんな感じ。
  
  
蔵の中に展示されているのは、ライトアップした車のおもちゃや水晶の柱のような作品。まるで星や宝物みたい。子どもの頃に恐怖した真っ暗で埃臭くて、なにか出てきそうな蔵のイメージは、あっけなく払拭されてなんとも幻想的な空間になっていました。


こちらはオブラートの作品。

オブラート上に模様を描き濡らしてキャンパスに置くという、「描く」行為を水に委ねた作品です。格子の外の八幡掘が家の中にまで伸びてきたようです。


それからこちらは、近江八幡市八幡山の頂上にある*1瑞龍寺(ずいりゅうじ)というお寺に展示された、日本画技法による作品。

かつては「貴賓の間」として使われたというこの金と白金に包まれた優雅な広間は、宮御殿「雲の間」という名前があるのだとか。宇宙の真理を表しているという群青の作品は、はるばるロープウェイに揺られて登山し、お寺の奥へ奥へと足を進めてきた私たち観覧者(参拝者?)の心にすっと入り込んできました。


そんな感じに身も心もたっぷり作品に浸って、最後にのんびりと頂上からの景色を眺めようとしたとき……、幸運にも雲間から陽の光が!!思わず縁側に茫然と立ち尽くしてしまいました。ずっとみていると、雲の切れ目が変わるにつれて近江の町も琵琶湖もゆらゆらと表情を変え、気が付けばあっという間に20分経過。

「そういえば、そろそろおなかも減った……」

町にもどって揚げたて近江牛コロッケを頬張りました。

会場は全部で17か所あったので、食べ歩きながらの作品鑑賞は芸術祭の醍醐味♪


ちゃっかり近江の味も堪能して、少し後ろ髪引かれつつも、米原駅東京行きの新幹線ホームへと向かったのでした。

*1:安土・桃山時代に、豊臣秀次の母であり秀吉の姉である端龍院日秀尼公が、秀吉に自害させられた秀次の菩提のために、京都の村雲に創建した寺院。のち、昭和37年(1962)に現在地に移設される。別名村雲卸所(むらくもごしょ)